2000年8月Kaiser財団リハビリテーション病院へ柳澤健副会長 他3名表敬訪問

 

 

2000年9月14日

 

KFRC表敬訪問の報告とKFRCにおけるPNF卒後研修の紹介

 

日本PNF研究会渉外局長

山元 総勝

 

 

2000年8月29-30日、PNFの発祥地である米国カリフォルニア州Vallejo市のKaiser 病院に併設するKaiser Foundation Rehabilitation Center(以下、KFRC)を,副会長を含め日本PNF研究会役員3名及び会員1名の合計4名でで表敬訪問した.

 

今シンポジウムでは,表敬訪問の内容報告とKFRCにおけるPNF卒後研修の歴史および現況を報告するとともに,研修申し込みの方法について紹介したい.また,KFRCにおける治療内容について,若干の情報がTim Josten氏(PNF卒後研修の責任者)とErwin Puntz氏(PNF実技指導で2回来日)との面談で得られたので報告する.

 

 

 

1、表敬訪問報告

 

 KFRCのスタッフに対し,JPNFAの発足の経緯とその目的について説明した.また,技術的な指導や研究について,今後友好関係を持てるよう協力依頼した.

 

2、 Kaiser病院及びKFRC の概要

 

 Vallejo市のKaiser病院は,ベッド数231床・職員数約1800名の急性期病院である.病院併設のリハセンターであるKFRCは,職員数約300名で,独自にベッド数48床のリハ病棟を持っている.8名のリハ専門医と2名の研修医に加えて,PT18名,OT 10名,ST7名,神経心理士3名,MSW3名,レクリエーション療法士1名が勤務している.患者は,1日の中で,最低3時間のPTに加えてOT、STの治療訓練を受け,また,不定期であるが,心理及び医療相談等を受けることができる.平均入院日数は18日である.

 

3、 PNF卒後研修の現況報告

 

 PNF卒後研修は,1948年に,主に米国内のNeuro/Rehab(PT) residency programとして開始された.今では,世界各国から常時20名のPTがこの研修に参加している.これまで約50年間で,世界から約2400名のPTが研修を終了しており,日本からは20名のPTが3ヶ月または6ヶ月のどちらかの研修を受講している.

 

4、 KFRCにおけるPNF卒後研修の申し込み方法等

 

 申し込みには,PT資格取得後最低2年の臨床経験を要するが,研修受け入れまで2-3年待ちの状況である.英語能力としては,TOEFLで最低500点が必要である.

 

 

日本のリハビリテーション医療は,マンパワー,コスト,サービス面においてもKaiser病院のような米国医療と単純に比較することはできない.しかし,PTが治療手技の向上をはかり,また,他のリハビリテーションスタッフにPNFの哲学を啓蒙することで,患者のQOLを高めることができよう.